どーも、こんにちは!
今日は『MDF材への着色方法』についての記事を書いていきます。
安価で使い勝手の良いMDF材の塗装パターンを色々検証してみて、どの塗装パターンがオススメなのか考察して行きたいと思います。
ではどうぞ!
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この記事の目次
MDF材への着色が難しい原因
MDF材に塗料を塗るのがなぜ難しいかというと、『MDF材の吸い込みの良さ』があるからなんですよね。
ちょっとした絵の具を塗るだけだと塗った後にすぐに塗料を吸い込んでしまい、一番見せたい表面部分に塗料がほとんど残らなくなり、MDF材の中に塗料が浸透してしまいます。
正直、結構ビックリするレベルで塗料を吸い込んでしまいますので、まだ一度も見た事がない方は是非一度試してみると良いでしょう。
MDF材への着色方法検証
①:MDF材にアクリル絵の具を塗るパターン
まず最初は一般的な水性のアクリル絵の具をMDFに塗ってみた状態を紹介していきます。
ちなみにこちらはタミヤのアクリル絵の具になりますが、クレオスの水性ホビーカラーでもターナーやリキテックスでも結果はほとんど同じと言ってよいかと思います。
色の付き具合がわかりやすい様に今回は白と黒をチョイスしてみました。
塗った状態がこちら
こちらがアクリル絵の具をMDFに塗った状態になります。
黒の方はしっかりと色がついている様に見えますが、実は若干黒味が弱くなってるんですよね。
白については言わずもがな下地のMDFの色が出てしまっています。
ですので、アクリル絵の具を直接MDFに塗るのはオススメできませんね。
ちなみに他の色のアクリル絵の具も塗ってみましたが、やはり下地の色が出てしまいイマイチの結果に終わりました。
②:MDF材にラッカー系の塗料を塗るパターン
お次はこちらのクレオスのラッカー系の塗料(厳密には違いますが…)をMDFに塗っていきます。
こちらもわかりやすく白と黒での検証です。
塗った状態がこちら
こちらがラッカー塗料をMDFに塗った状態になります。
ラッカー塗料の場合は、アクリル絵の具よりも塗膜が強いので大丈夫かなと思ったのですが、こちらもアクリル絵の具同様に下地が目立ってしまい本来の塗料の色味が出せない結果に終わりました。
残念ですね…
【※捕捉】ラッカー系のスプレーを塗るパターンも検証してみました!
塗料の成分的にはほとんど同じになるのですが、一応ラッカー系のスプレーでも塗装を行ってみました。
使用したスプレーの色が黒とタンという色になります。
塗った状態がこちら
こちらがMDFにラッカースプレーを塗った状態になります。
やはり塗料の吸い込みが良いため色味が少しおかしくなっていますね汗
こちらもあまりオススメ出来ません。
③:MDF材にステイン系の塗料を塗るパターン
お次は木材の塗装によく使われるステイン系の塗料で試していきたいと思います。
『ステイン系の塗料って何?』と思われる方もいるかと思いますが、簡単に言ってしまうと『塗る事で塗料が木材に染み込んでいき、木目をより際立たせる事ができる塗料』だと思って頂いて結構です。
要は、木材の木目を活かしたい時に使う塗料ですね。
こちらは、和信ペイントから出ている水性のオイルステインとポアーステインの2種類で検証してみました。
(※オイルステインとポアーステインの違いとしては、ポアーステインの方がより木目が濃く出やすい塗料だと思ってください)
塗った状態がこちら
こちらが水性のオイルステイン(左)とポアーステイン(右)を塗った状態になります。
筆ムラが出るかなぁ…とか思っていましたが、意外にも筆ムラがほとんど出なくて、かなりいい感じに着色されていると思います。
MDFには木目自体がないので、ステイン系の塗料を効果的に使えているとは言えないかもしれませんが、ステイン系の塗料をMDFに使うのは結構いいかもしれませんね。
④:MDF材にエナメル系の塗料を塗るパターン
最後にエナメル塗料をMDFに塗った状態を紹介したいと思います。
正直な話、エナメルは重ね塗りができない塗料なので(※エナメルの上にアクリル絵の具とかラッカー塗料を塗る事ができないという意味です)あまり検証する意味はないかと思いますが、検証してみたので参考にしてみてください。
塗った状態がこちら
こちらがエナメル塗料をMDFに塗った状態になります。
意外としっかりと塗れてますね。
これにはちょっと驚きました。
MDF材の下地色が微妙に出てしまう問題を解決したい
ここまで何パターンかの塗装方法を検証してきましたが、やはりMDF材の塗料の吸い込みが良いために、表面上に定着する絵の具が少なくなり、MDFの下地の色が微妙に出てきてしまう問題が結構な頻度で発生してしまいました。
また、使用するカラーによっても、例えば黒のような強い色を使用する時はMDFの下地色はほとんど目立ってきませんが、白のような弱い色を使用するとMDFの下地色がかなり目立ってしまい、全体として汚い色になってしまっていました。
もう一層新たな層を作ってしまえば良い!
私が最終的に考えたオススメの方法は、MDFの下地がダメだったらその上に別の膜というか、新たな層を作ってしまえば良いという方法です。
具体的に使用する材料がこちらになります。
これですね。
これをMDFの上に塗る事で、MDFの表面上に新たな層を作る事が出来、乾燥後に普通に絵の具を塗る事が可能となります。
着色例紹介
このアイテムの着色の方法は、上の写真の様にMDFに直接塗るだけでOKです。
塗った後は乾燥させ、乾燥後はそのまま白いベースとしてしようする事も出来ますし、以下の様に↓
上からアクリル絵の具などで普通に着色する事も出来ます。
かなり便利なアイテムですよ。
難点は、筆ムラをいかに消せるかという事
こちらのジェッソを用いたMDF塗りのひとつの難点として、筆で塗る事による“筆ムラ”をどのように解消するか?という問題が出てきます。
要は、完全な真っ平らに下地を作る事が難しいというわけです。(筆線の跡が微妙に残ってしまいます)
ですので、大きなMDF材に着色したい場合は筆で塗るのはあまりオススメは出来ませんかね。
ただし自分のように、ドールハウスなどの小型のものに対してこの方法を使用する場合は、少しくらいの筆ムラは全く問題にならないと言って良いかと思います。
ひとつの解決策としてペインティングナイフを使うのがオススメ!
筆ムラをどうしても出したくない方に対しては、上の写真のような油絵などでよく使われるペインティングナイフを使って塗料を塗る事をオススメします。
自分もこれを使って塗っています。
最初に慣れは必要ですが、ある程度慣れてくるとかなり平らに塗布する事が可能になってきます。
本当にわずかな違いに見えますが、筆線の跡が全く残したくない人はペインティングナイフで塗るのがオススメです。
ペインティングナイフに関しては以下のような安い商品も多く販売されているので
まずはこういった商品で試されるのをオススメします。
色々なテクスチャーを作れるのも魅力!
また、違ったメディウムを使用する事によって下地の質感も色々変えられる事も魅力です。
例えばこちら
こちらのメディウムを使用すれば、以下のように↓
石膏のような質感を簡単に再現できますし、また以下のような
サンド系のメディウムを使用すれば、テクスチャーとして荒い砂のような質感の下地を簡単に作る事ができます。
そしてこれらは全て乾燥後に着色する事が可能ですので↓(※以下の写真は普通のアクリル絵の具で塗りました)
表現の幅がかなり広がりオススメです!
安価なMDF材を有効に活用していきましょう!
いかがだったでしょうか?
最後にこの記事のまとめを書いて終わりにしたいと思います。
- MDFに直接塗料を塗る方法は、どの塗料を使ってもイマイチになりやすい
- ただし、ステイン系の塗料をMDFに塗るのは割といい感じになる
- MDFにきれいに着色したい時は、メディウム系の下地材をMDFに塗ってから塗料を塗るのがオススメ!
この記事で伝えたい事は、主にこの3点ですかね。
この記事では、『MDF材への塗装方法』について色々紹介してきました。
個人的にMDF材の1番の魅力は、その“値段の安さ”だと思います。
そして、この材料は着色方法の幅が増えるとかなり使いやすい材料になるのは間違いありませんので、この記事を参考にして頂ければ幸いです。
それでは今日はここまでになります。
ではまた!